2014年11月3日月曜日

ぼくがステマを嫌う理由

今日はちょっとステマの件についてお話しておきます。

「ステマ」とは、ステルスマーケティングの略です。
その意味は、一般消費者に対し、宣伝であると気づかれないように(宣伝であることを隠して)宣伝活動をすることです。

この宣伝活動における登場人物は、「企業」「宣伝活動者」(紹介者・レビュワー)「一般消費者」です。
(「一般消費者」という言葉がわかりにくかったら、この記事を読んでくださっている「あなた」に置き換えてください。)

ステマが行われる典型的プロセスはこうです。

まず「企業」が「宣伝活動者」に対して宣伝活動を依頼し、
そして「宣伝活動者」は、宣伝であることを隠してその商品をべた褒めし、
「一般消費者」(あなた)に対してオススメを行って購入意欲を生じさせようとします。

たとえばこんな感じです(もちろんフィクションであり、実在する人物・団体とは一切関係ありません)
元アイドルの石黒さんは、歯磨き粉をつくる会社から新製品の「歯磨き粉」のステマ(宣伝)を依頼されました。
元アイドルの石黒さんはアイドルを引退したものの、石黒さんが書くブログは人気を集めており、まだまだファンはたくさんいました。

そこで、石黒さんはファンに対し、
「この歯磨き粉本当にいい商品です、他の商品より歯がツルツルになるし、白くなります!」と、
自分で買ってもないのに、愛用してもないのに、
ファンたちに対してオススメしたとします。

そうしてファンたちは、「あの石黒さんが使っているものなら私も使いたい!」と購入したり、
「あの石黒さんがオススメするものだから間違いない」と購入したりします。

そうしてたくさん売れて企業は大喜び、石黒さんも企業からお金がもらえて大喜び、ファンも大好きな石黒さんと同じ歯磨き粉が買えて大喜び
みんながハッピーになりました、めでたし、めでたし。

こういったハッピーな宣伝活動がステマです。←


だけどぼくはステマを行う人が大嫌いです。
 
厳密には、「ファンを騙してファンにカネを使わせ、そして自分が利益を得ようとするその人間性」が嫌いです

結局やってることは「サクラ」とほとんど変わらないと思います。



ここでステマではなく、通常の広告の手法を考えてみると、
たとえばテレビCMでは、その商品を普段から使っていようが使っていまいがおかまいなしに、
今世間で人気を集めている芸能人の方が起用され、
宣伝が行われます。

結局、そこで宣伝活動に加担している芸能人の方にとっても、その商品がいいとか悪いとかは実はどうでもよいことです。
この点で通常の宣伝も、ステマ宣伝も、変わるところはありません。
(もちろん、契約内容によってはその製品の良し悪しに関心を抱くこともあります。たとえばスポーツ選手なんかは一定期間、契約会社の製品の使用を義務付けられたりするので、スポンサー選びは慎重になるはずです)


そして、いずれにしても、ファンであれば購入意欲が発生することにも変わりはないかもしれません。
「私が好きな芸能人の人がCMやってるから買う」とか、
「私が好きな芸能人の人がオススメしてたから買う」とか。。。

ただ個人的にはステマのほうが影響力が強い傾向にあると思います。
ステマには「ガチ」(つくりものではないリアル)っぽさが感じられるからです。
だからこそこのステルスマーケティングと手法が生まれたのだと思うし、宣伝効果も絶大なものがあるのだと思います。

このように、ファンに対して強い影響力を有する宣伝活動である以上は、ファンのためを思ってオススメする企業の商品やサービスは慎重に吟味・検討して選択していくべきだと思います。

にもかかわらず、ペニオク事件では、多くの芸能人は、紹介するその企業が行っているサービスの内容を慎重に調べることもなく、
ただ企業からのカネ欲しさに、本当はただ企業からもらっただけで落札してもいない商品を、
「とっても安く落札できましたー!」
などと偽って、ステマをしたのです。

そしてペニオクは、どうやったってそんなに安く落札できるシステムではなかったので、
そのステマを行った芸能人を信じてサービスを利用したファンたちは、程度差はあれど、多くの人が不利益を被りました。

ぼくは絶対にペニオクに加担した芸能人たちを許しません。←

もし仮に、「ペニオクでそんなに安く落札できるわけがない」ということを知っていながら、依頼されるがままブログでファンにすすめた、というのであれば、立派な犯罪です詐欺罪の「幇助犯」です)



ファンを騙して詐欺の幇助をしたのに、どうしてそのまま芸能活動が継続できるのか。。。


ステマに肯定的な意見としては、
「実際にいい商品を紹介して、消費者も満足できるなら問題ない」
というものが想定できます。

たしかに結果として、企業も満足紹介者も満足消費者も満足、となるのであれば、それは最高のマーケティングです。

でもそれは結果論で、
ぼくが嫌だと思うのは、「ステマを行う人の人間性」です。


「これはビジネス(仕事)だから」

と、自分のやっていることを正当化して、
自己の影響力を利用して、また、その影響力の強い手法で、
「その商品が本当によいものかどうか」にあまり関心を抱かないまま、
ファンにおすすめしている傾向にあると私は思います。

ちなみに、企業からの提供を受けていることを明記している宣伝活動は、「ステマ」にはあたりません。
あたりませんが、それでもぼくはそういう宣伝も「嫌だな」って思うことが多いです。。。←


じゃあどうすりゃいんだよ!て話ですけど笑、
「みんな、、、レビュー(商品紹介)はガチでやろうぜ。。。」
って話ですわ。←

「そのレビュー(商品紹介)、何のためにやってるの?」
という問いに、
「再生回数のため」とか、「仕事としてやってる」
なんて考えてる人は、本当にやめてほしいです。←

企業からの提供を受けた商品を紹介するのは何も悪いことではありませんが、
「ガチでやってくれや!」
というのが消費者の強い要望だと思います。

ともあれ、ぼくは、絶対に、ステマ、やりません。←

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